買いたい人へ

アメリカで家を持つということは、夢のような気がしますが、実際にはちゃんとした知識をもって準備をすれば誰でもホームオーナーになれます。アメリカでは家を持っている人には、税金の優遇措置をはじめ、多くの特典がもうけられています。

このサイトではベイエリアで家の購入を考えていらっしゃる方のために、役に立つ情報を提供しています。不動産の売買については、日本とは勝手が違うことも多いので、それらをできるだけわかりやすく説明していきたいと思っています。 また住宅購入についてのご意見、ご質問も歓迎いたします。

1.住宅市場

サンフランシスコ、サンノゼを含むベイエリアは、米国の中でもニューヨークと並んで最も住宅価格の高い地域です。 たとえばサンノゼの場合、ある程度環境のいい場所で一軒家を購入しようと思うと、最低でも50万ドル以上です。また、この地域には全国的にも注目される優秀な学校も多く、それらの学校のまわりの住宅は一段と高価になっています。学校の優秀なたとえばクーパティーノ地区では、築40年で30坪あまりの小さな一軒家で70万ドル以上します。庭付きの一軒家は人気が高く、財産価値も高くなっています。古い家でも修理をしたり、改装をしたりしてきちんと管理していけば、将来高く売ることが可能です。

若い人達の中には古くて高い一軒家ではなく、タウンハウスやコンドミニアムなどの集合住宅を購入する人もたくさんいます。 タウンハウスというのは、たいてい壁だけを隣家と共有する作りになっており、小さな庭の付いたものもあります。 コンドミニアムは日本で言えばマンションのようなもので、自分の住むユニットの上、あるいは下に他の人のユニットがあります。値段も一軒家に比べれば少し安いので最近人気が高まっています。集合住宅の場合、月々150から300ドルほどの管理費を払う必要がありますが、建物の外回りの管理、共同施設(プールなど)の管理、共同エリア(公園など)の管理、火災保険、水道代、ごみ収集費用などが含まれいることを考えるとそれほど高いものではないと思います。

2.住宅の価格

アメリカでは住宅の価格は、決まった値段があるわけではなく、売り手と買い手の間の交渉で決まるのが普通です。 まず売り手が市場の状況を見ながら、言い値をつけます。 これを見て買い手が家を見に来ます。 もし買い手がその家を気に入ればオファーを出します。このオファーの中で、買い手はいくらなら買う、という買い値をつけます。これは売り手の言い値の下のこともありますし、他に大勢競争相手がいる場合などは売り手が出した値段よりも高く出すこともあります。売り手はこの買い手のオファーを検討し、以下の三つの行動のうちの一つをとります。 このように買い手と売り手の間で交渉をして一軒の家の取引が行われます。

ベイエリアに関して言えば、売り手よりも買い手が多く、すなわち供給よりも需要が大きいので、住宅の値段は上がる傾向にあります。もちろん住宅市場も株価や経済の影響を受けて多少の上がり下がりはありますが、長い目で見れば確実に上がりつづけています。

3.購入のプロセス

住宅を購入するためにはいくつものステップがあります。スムーズにそれらのステップを勧めるように私ども不動産エージェントがお手伝いします。

(1) 銀行からローンを保証してもらう

銀行あるいはローンのブローカーと話をして、給与、雇用状況、貯金、クレジットヒストリー(過去の支払いに滞りがないか)などをもとに、「いくらの頭金で、いくらまでの家が買えます」、という保証を予備的に出してもらいます(これをプリアプルーバルとよびます。)頭金は普通20%くらいです。頭金が20%以下だと毎月保険を払わなければなりませんし、20%以上の頭金だとローンの種類の選択肢も増えます。 このようにして銀行からで出してもらった価格の範囲内で家を探します。

(2) 家を探す

家を探すに当たっては、環境や通勤時間、買い物の便利さなどさまざまなことを考慮に入れなければなりません。また、一軒家か集合住宅かの選択もしなければなりません。このために時間の許す限りたくさんの物件を見て回ることをおすすめします。家を探す時のルールは昔から「ロケーション、ロケーション、ロケーション」、つまり一にも二にもロケーション(立地条件)が重要だと言われています。 家は改装したり極端な場合は建て直したりできますが、土地の場所を変えることは不可能なため、ロケーションが悪いと将来価値を上げるのに限界がある、という意味です。

(3) オファーを出す

気に入った家が見つかったらオファーを出します。この時オファーが真剣なものであることを示すために購入価格の3%の小切手を切りますが、これはコピーを相手に見せるだけで、私ども不動産会社が契約が始まるまでお預かりします。売り手と買い手が値段や諸条件について合意にいたると契約にはいります。契約に入ってから正式に家の名義が移るまでの期間をエスクローと呼びます。このエスクローの長さは通常30日から45日ほどです。ここ北カリフォルニアの場合、独立した会社であるタイトルカンパニーがエスクローを引き受けて、ちょうど仲人さんのような立場で、買い手側と売り手側の間に立って、スムーズに取引が行われるよう取り計らいます。

(4) エスクローの期間

最初の二週間くらいは仮の契約期間で、大変忙しい期間です。家に関する調査資料を読んでそれに納得できればサインをするという作業をしたり、銀行から正式なローンの保証(アプルーバル)をもらったりして正式な契約への準備をします。購入に際して読むことになる調査資料には次のようなものがあります。まずプロの住宅インスペクターが欠陥が無いかどうかを調査した報告書、シロアリや水漏れの被害が無いかを調査した報告書、地質調査報告書、売り手が正式な持ち主であるかの報告書、売り手自身が質問に答える形で記入する家や近所に関する報告書、(集合住宅の場合だと)管理組合の資料など、さまざまな報告書に目を通し、それで納得がいけばサインをして正式な契約となります。また銀行もその家に鑑定士を送り、その物件がローンを出す価値のあるものかどうかを判断し、それでOKであれば最終的なローンの保証(アプルーバル)をだしてきます。これで契約は正式なものとなり、この後買い手の都合で取引を止めた場合、最初に払った3%はもどってきません。

(5) 家の修理について

家についての調査報告書の中で、修理を必要とするところが見つかった場合、売り手か買い手かどちらがその修理費用を払うかを交渉します。特にシロアリや水漏れのダメージの修理は、家の構造上重要な部分なので、銀行によってはそれらを修理しないとローンを出さないという条件をつけてくるところもあります。

(6) 名義の変更

エスクローの期間が終わる一週間ほど前に、売り手も買い手も別々にエスクローの手続きを受け持っているタイトルカンパニーに出向いて、最終的な書類にサインをします。このとき銀行のローン担当者も居合せて、最終的なローンの説明をします。また私もエージェントとして必ず立会い、契約の読み違えなどが無いか確認します。 その後銀行からローンが下り、数日で名義の変更が可能となります。タイトルカンパニーが責任をもって名義の変更を行い、その旨を連絡してきます。

これで家の購入が成立するわけですが、お気づきのように、不動産の取引では交渉次第で決まることがたくさんあります。ここに書きましたのは一般的な流れですが、修理やローン、受け渡しの条件などに関して特殊な交渉を必要とする場合もあります。このような場合には必ず書面で合意を行うようにしています。私どもの会社には専属の弁護士もおりますので、書面できちんと合意を交わしている以上、問題が発生することはまずありません。

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